生身の人間同士で向き合うからこそ届くもの——アロマセラピストの本質

昨日、サロンに長年のお付き合いがある大切な方がお越しくださいました。

10年も勤めた職場を退職されたというお話でした。

ご自身の介護や体調の波など、これまでにも多くの波乱や大変な時期がありました。それでも10年という歳月を駆け抜けてこられたのは、凄い事だと思います。見えないところの原動力が何かあったからこそ。

それでもその方は、立ち止まったままではありませんでした。
少しずつ、前を向いて歩みを進められています。

「アロマで少しでも楽になれたら」と足を運んでくださり、一押し一押しトリートメントを重ね、言葉を交わすうちに、表情が柔らかくなっていくのを感じました。

お帰りの際には、「話せたことで、前向きに5歩くらい進めた気がします」と、穏やかな笑顔で言葉を残してくださいました。

この時間を共にして、改めて強く感じたことがあります。
それは、「セラピストの本質とは、生身の人間として目の前の方と深く向き合うことにある」ということです。

世の中がどれほど便利になり、様々な自動化や技術が進んでも、人の心の傷を解きほぐし、一歩踏み出す勇気を与えられるのは、やはり「人の温もり」や「丁寧に手と心を差し出す時間」ではないでしょうか。

目の前の方に対する深い敬意と尊重

• 一挙一動の所作を丁寧に整える意識

相手を心から慈しみ、丁寧に向き合う姿勢そのものが、言葉を超えて相手の心に届き、回復への力となります。

辛い記憶をゼロにすることはできなくても、生身で向き合い、寄り添うことで、心がほんのり温かくなり、前を向く余白が生まれる。それこそが、私たちが提供するセラピーの本当の価値なのだと、彼女の姿から深く教えていただきました。

傷つきながらも、ご自身の中に宿る光を携えて新たな一歩を踏み出した彼女のこれからを、これからも一人のセラピストとして、そして長年の仲間として心から応援し続けます。